手すりが壊れたら借主が費用を負担するのか

手摺が壊れたら

先日退去立会いの時に手すりが壊れたけど借主が費用負担する必要があるのかと質問を受けました。

 

階段・玄関の手すりは石膏ボードにネジなどで取り付けられていますが、石膏ボードは、簡単に穴があき、壊れやすい壁材になってますので少し力をいれただけで壊れることがあります

 

手摺が壊れた場合の費用負担者については原状回復をめぐるガイドラインや裁判所の判例はありませんが、手すりは人の体重を支えるために使用するもので壊れやすいものです。


お客様に話を聞くと階段を上るときに、手摺に摑まったら壊れたと、私も壊れた手摺を確認しましたが、プラスチックで出来た留め具が壊れています。

 

石膏ボードもネジで止めていた留め具が普通に壊れていますし、石膏ボードのネジ跡も強い力がかかったようには見えませんでしたし、また本物件は築25年以上経過しており経年劣化と判断させていただきました。

 

管理会社は、異議を唱えていましたが、私は原状回復をめぐるガイドラインにあるカーテンレールの判例の説明と現地確認の結果で経年劣化であると主張させていただきました。

 

手すりの壊れ
手すりの壊れ
手すりの留め金
手すりの留め金

費用負担について

原状回復をめぐるガイドライン・判例ではカーテンレールやトイレのタオル掛けの破損が、貸主負担になっております。

 

裁判所ではカーテンレールやトイレのタオル掛けの破損も石膏ボードに取り付けられた場合、その材質上、取れ易いことは経験則上明らかである。

以上から、通常の使用により生ずる損害、損耗であり、賃貸人が負担すべきとして賃借人の請求を全面的に認めた判例があります。

 

判例では石膏ボードは壊れやすいものと言っています。

 

ただし何でも貸主負担とは言っておりません。通常の使用でない以外は借主負担だと。例えば手すりにつかまり子供が遊ぶなど、通常でない使用については借主負担になります。