タバコを吸い部屋を汚したり、臭いが残るとクロスの張替え費用やハウスクリーニング代やエアコンクリーニング代は借主の負担になります。
ただ退去時のクロスの張替えは費用は当然に全額借主負担ではありません
①「原状回復のガイドライン」より
タバコ等のヤニ・臭いについては
喫煙等によりクロス等がヤニで変色したり臭いが付着している場合は、通常の使用による汚損を超えるものと判断される場合が多いと考えられる。
喫煙等により当該居室全体においてクロス等がヤニで変色したり臭いが付着した場合のみ、当該居室全体のクリーニングまたは張替費用を賃借人負担とすることが妥当と考えられる。
経過年数の考慮等
6 年で残存価値 1 円となるような直線(または曲線)を想定し、負担割合を算定する。と記載されています。
タバコを吸い部屋を汚すと天井壁のクロスの張替えは費用は借主の負担になると、ただ張替えは費用が全額借主の負担になるとは記載されていません。
②神戸地方裁判所尼崎支部判決 平成21年1月21日
賃借人が負担すべき特別損耗の修繕費用につき、減価分を考慮して算定した事例として
裁判所でもタバコを吸い汚しても減価分(減価償却)を認めて全額借主負担ではないと判決が出ています。
③最高裁判所第 2 小法廷判決 平成 17 年 12 月 16 日
最高裁判所では家賃には通常損耗・経年劣化の費用が含まれており退去時に通常損耗・経年劣化分の支払いは必要ないと言っています
建物の賃貸借においては、賃借人が社会通念上の使用をした場合に生ずる賃借物件の劣化又は価値の減少を意味する通常損耗に係る投下資本の減価の回収は、「通常、減価償却や修繕費等の必要経費分を賃料の中に含ませてその支払いを受けることに行われている」と判示されています。
退去時に経年劣化・通常損耗を2重に負担するのは公平性に欠けると
タバコを吸ってもクロスの張替えは費用は当然に全額借主の負担ではありません。
クロスに傷つけたら、その箇所のみを修繕するのが原則ですがタバコの場合は、ヤニの汚れの場所だけでなく臭いもあり、部屋全体のクロスの張替が必要になるため退去費用は高くなります。
●クロスの単価・面積により張替え費用は異なりますが、目安として利用ください
張替面積 |
張替え費用 |
ワンルーム | 10万円~15万円 |
1DK | 12万円~17万円 |
1LDK | 15万円~20万円 |
2LDK |
20万円~25万円 |
不当な退去費用を支払う前に相談を
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契約書などにタバコを吸うとクロスの費用などが全額借主の負担になると記載されても、原則として全額負担をする必要はありません。
特約が有効になるためには要件がありますが、要件が満たされなく全額借主の負担は認めれない事例が多くあります
▶タバコを吸うと退去費用が全額借主負担になる特約が有効になるための要件とは